仏教保育では、園児が園で過ごす幼児期に、この後の人生を決める重要な土台が作られると考えています。そして、将来社会で生きていくために必要な能力、それを「人間形成の土台づくり」と表現します。

仏教保育を通じていのちのつながりを理解する
~生きとし生くる万物の生命を尊ぶ~
- 仏教保育の根本に流れる思想は仏教の精神です。仏教精神を表す言葉は様々ありますが、「全ていのちあるもの」の考え方に基づいています。
- 上記の「いのちのつながり」とは、今の「いのち」「存在」は過去の「いのち」の上に存在するものであり、将来の「いのち」は今の「いのち」の上に生まれるものであることを意味しています。
- つまり「いのちのつながり」を理解することは、過去から未来へつながる「いのち」の大切さを知ることなのです。
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仏教保育が考える人間形成の土台は大きく分けると二つに分けられます。
- 心づかいとバランス感覚
- 個の確立
これらは仏教のこころの中で、園児に身につけてもらいたいことです。
大いなる愛情
~愛することより、愛されることを学ぶ~
- 人は他者との関係の中に自分の存在を知ることができます。仏教の精神、「いのち」の大切さを理解する上で、愛情は不可欠です。この愛情が他者との関係を認識するバロメーターになるからです。
- つまり、人から愛されることによって、子どもは自分と他者との関係を知ることができます。そして愛することを学ぶのです。特に幼児期には親子の絶対的愛情が必要です。
「慈悲の心」と「智慧の心」
- 「自分だけよければ」という我欲や利益的見返りを求めることは、仏教精神に反する考え方です。他者との関係の中で、他人の喜びや悲しみを自分の喜びや悲しみと受けとれる心こそが「慈悲の心」です。
- そのような心をもって他者との関係を見ることができた時、初めて正しい判断や正しい導き方が生まれるものです。これが、仏教精神のいう「智慧の心」です。
- そしてこの2つの心を養うことによって、初めて「ほとけのこころ」を習得することができるのです。
- 仏教精神に基づき、この「慈悲の心」と「智慧の心」の習得こそが、仏教園で生活する子ども達のこころとなるのです。
慈悲の心+智慧の心=ほとけのこころ